手根管症候群の手術を受けられる方へ
症状、病態について
手根管とは手のひらにある骨と靭帯で囲まれたトンネルで、この中に指を曲げる腱と正中神経が通っています。手根管症候群はこのトンネル内で浮腫(むくみ)が生じ、圧が高くなることで神経が圧迫を受け、しびれや親指を動かす筋肉が麻痺を起こす疾患です。50歳以降の女性に多いのですが、透析をしている方や手首の骨折後にも起こります。親指から薬指の腹の部分にしびれが出現し、ひどくなると夜間に痛みをともなうしびれのため睡眠が妨げられます。長く放置しておくと筋肉が痩せてきて回復が困難になるため、神経の速度を測る検査を行い、低下していれば早めに手術を受けられることをお勧めします。
手術方法について
当整形外科では内視鏡を使って行っています。傷を小さく、短時間で出血もほとんどなく行うことが可能であり、日常生活や仕事への復帰が早いことが利点です。
手術は局所麻酔で行います。手首と手のひらの2カ所に約5mmの切開を加え、細いカメラとナイフを入れて靭帯を縦に切開します。それによって手根管トンネル内の圧が低下し、神経が楽になるわけです。皮膚を2針縫合して手術終了です。手術時間は約20分です。手術直後は包帯で固定します。指は痛みがない範囲で自由に動かして下さい。
手術のリスク、問題点について
比較的安全な手術ですが起こりうる合併症として 1.感染(手術の傷から菌が入り、化膿すること)、2.指神経、腱損傷、動脈損傷 などが考えられますが極めて稀です。
また将来、再発する場合がありますがこれも極めて稀です。
しびれは比較的軽症では早期に改善しますが、重症例ではしびれや筋力の回復に数ヶ月かかることがあります。
ていね整形外科リハビリクリニック 石川 淳一
関節鏡手術と手術創の写真
手関節・指関節鏡の実際
関節鏡視下での母指固定術の実際
手術後1か月
手術後9か月
鏡視下手根管開放術
手術直後
手術後5カ月
傷はほとんどわからない


